治療院(接骨院・整骨院)の年商2,000万円を超えたら法人成りを検討してみましょう。
接骨院の法人なりのメリット
- 役員報酬による所得の分散効果
法人成りすると、これまで事業主貸としてもらっていた給与分が、「役員報酬」経費で支払われることになります。役員報酬(=給与)には給与所得控除(現金支出を伴わない経費の控除)が認められている上、家族役員に対する報酬や給与も適正な金額である限り損金に算入できますので所得が適正に分散されるというメリットがあります。 - 欠損金の繰越控除機関の延長
- 会社契約の保険料の経費算入が可能になる。
- 役員退職金の支給が可能になる。
- 対外的にも金融機関からの借入れ、求人などで有利に働く場合があります。
欠損金の繰越控除が個人の3年から9年(平成29年4月1日以降事業年度以降分は10年)になります。
接骨院の法人成りのデメリット
- 社会保険の加入義務
個人事業の場合には、社会保険の適用業種を行っていても、常時使用する従業員が5人未満であれば強制適用事業所に該当しません。
これに対して法人成りをすると、従業員を雇っていなくても、報酬を受けている役員が1人でもいれば、その法人は強制適用事業所に該当します。
社会保険の適用事業所に該当すると、役員や従業員に対する社会保険料の半分は法人負担となりますので、費用負担が増加するこ②とになります。 - 個人事業の場合には、例え事業用に開設した口座のお金であっても、事業以外の私的なものに使うことができます。必要経費にはなりませんが、後で返済する義務はありません。これに対して法人成りをすると、例え事業主であっても、法人のお金を私的なものに使うことはできません。もし使ってしまった場合には、事業主に対する給与又は貸付金として扱われ、所得税が課されたり、返済義務を負うこ③とになります。
- 決算時の手間
個人・法人ともに確定申告は必要ですが、その申告の際に提出する書類に関しては、法人の方が圧倒的に多くなります。申告書の添付書類も多くなりますし、申告書以外でも勘定科目内訳書や法人事業概況書など、個人の申告には必要とされないものがあります。申告以外でも、役員の任期満了に伴い登記が必要であったり、定款を変更する度に費用が発生したりと、手間と共に費用も増えることになります。